「スプレイ(Splay)」とは、英語で「外側に広がる」「扇状に開く」といった意味を持つ言葉です。キーボード配列における「スプレイ」は、この意味の通り、キーの縦の列(カラム)が、キーボードの中央から外側に向かって、扇状に少しずつ角度をつけて配置されている配列のことを指します。
普通のキーボードは、基本的にキーの縦の列(例えば 1, Q, A, Z の列や 2, W, S, X の列)が、お互いに平行にまっすぐ並んでいますよね。
スプレイ型の配列では、これらの縦の列が、まっすぐではなく、外側に向かって少し傾けられています。
ちょうど、机の上にリラックスして両手を置いたとき、肘から手先にかけて腕が自然に少し外側に開く角度に、キーの列を合わせるようなイメージです。特に、小指側の列ほど、より外側に傾いているデザインが多く見られます。
このスプレイ型の配列が採用される主な理由は、タイピング時の手首や腕の負担を軽減するためです。
まっすぐなキーボードでタイピングしようとすると、多くの人は自然と手首を少し外側(小指側)に曲げる姿勢になりがちです。これを「尺骨偏位(しゃっこつへんい、Ulnar Deviation)」と呼び、長時間続くと手首への負担となります。
スプレイ型の配列では、キーの列自体が腕の自然な角度に合わせて外側に傾いているため、手首を不自然に曲げる必要がなく、よりまっすぐな(ニュートラルな)状態でタイピングしやすくなります。
手首が自然な角度に保たれることで、腕や肩にかかる不自然な緊張も和らげる効果が期待できます。
どのようなキーボードに見られるか?
スプレイ型の配列は、エルゴノミクスキーボード、特に左右分割型キーボードによく見られる特徴です。
スプレイは、他のエルゴノミクス機能と組み合わせて採用されることが多いです。
スプレイ型の配列とは、キーの縦の列が、キーボードの中央から外側に向かって扇状に角度をつけて配置されている配列のことです。
主な目的はエルゴノミクスであり、タイピング時に手首が不自然に曲がる(尺骨偏位)のを防ぎ、腕や肩への負担を軽減することを目指しています。
特に左右分割型のエルゴノミクスキーボードで、ユーザーが角度を調整したり、設計にあらかじめ組み込まれたりしています。
より自然で楽な姿勢でのタイピングを追求した結果、生まれた配列の一つと言えます。